Olden scape -昔日風景-

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Review

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■ 灰色の町の守護者

★☆★ オススメ! ★☆★

「灰色の谷の合間に出来た、新しい町の守護者になりなさい」

自我も生まれたばかりの、新神="あなた"。
白き神殿の女神にそう命じられ、猫の女神と共に町へと赴くのだが…。

これは神々がまだ人の傍に在り、共に歩んでいた頃の物語―――。

======== 感想 ==========
古代エジプト世界を舞台にしたマルチED型RPG。
主人公は、「灰色の谷間の町」と呼ばれる出来立ての町の守護者となった新米の神さま。(デフォルト名はありますが、変更可能)

◆ストーリーについて
メイン製作者さまがエジプトへの造詣が深いためか、非常に雰囲気のある作品。
製作者さまの前作「神々の呪文」より数年後を舞台にした話で、同名の自作小説が原作。
前作主人公もゲストとしてサブシナリオに登場していますが、ストーリーには関わりがないので前作プレイの必要はありません。

主人公はあらすじの通り、新米の守護神。
新米とはいえ神さまなので、基本的に町人等のエキストラとは意思疎通ができません。
頑張っても頑張っても相手には自分が見えないので、イベントをクリアしても会話上あまり感謝されている感はないのですが、神殿に寄進が増えていくことで感謝の心が示されています。
また、見えないのが前提となっているだけに、会話ができるキャラが目立つなど上手く作ってあります。
(ネフェルトや神官にはもう少し色々イベントがあってもよかったかなと思いました。せっかく序盤から主人公を認識してくれているのに、後半に少し関わるだけで町人に埋もれてしまっていたのが少々残念)

ほか、主人公の過去について、メインシナリオではなくサブシナリオとして展開されているのが面白いところ。メインはあくまで現在(プレイヤー="守護者"の主人公)ということでしょうか。創作をしているとついつい作った設定を見せたくなるものですが、こうして一歩ひいて作られているところがプレイヤー重視に見えました。

◆システムについて
主人公は町人の困りごとを解決しつつ町を発展させていくのがお仕事です。
この"困りごと"や"事件"はサブイベントとして盛り込まれており、特定アイテムの入手・使用の他、特殊ポイントを使って「奇跡」を起こすことで解決できるのですが、特殊ポイントの多くはストーリーイベントをこなすことでボーナスとして入手できるほかは、戦闘での勝利で微々たるものを入手するしかないため、必然的に現在できることに制限がかかるようになっています。
(中盤以降は余るようになってくるのですが、その頃には武器の強化ができるようになるので、そちらにつぎ込むためにポイントをたくさん持っている敵と戦闘しなければならないなど、バランス良く作ってあります)

ポイントを利用して奇跡を行うかはプレイヤーに委ねられており、イベントでの選択肢も加えてさまざまなEDを迎えるのですが、「町の守護者」としての位置にいるはずの主人公が町の発展に直接貢献できないところがやや残念。序盤のような人助けや町作りシミュレーション的イベントがもっとたくさんあってもよかったのではと思いました。

◆グラフィックについて
ほぼRTP改変のため、少しマップチップは殺風景気味。
(ただし主要メンバーの顔グラフィックは全てオリジナル)
ワールドマップは少し殺風景かなとも思いましたが、舞台が元々砂漠であるエジプトであることや、ただストーリーテリングの上手さなどから、プレイしているうちにあまり気にならなくなりました。


全体的に中編ながらイベントや武器強化、花の種集め、ED制覇などやりこみ要素が盛り込まれ、長く遊べる作品。製作者さまサイトにストーリーチャートやイベントリスト、EDリスト等々、コンプリートのための手引きがありますので、そちらを参考にするとプレイが簡単になるかもしれません。


------ [Check]------------------------------------
◆作者: 岡沢 秋 様
◆HP: 無限∞空間
 [URL] http://www.moonover.jp/
<特設ページ直通>
[URL] http://www.moonover.jp/bekkan/rpg2/index.htm
◆制作ツール: RPGツクール2000Value!
◆傾向: 中編RPG、マルチED、古代エジプト風

date:2005/07/12
update:2005/07/12(Tue) 04:16

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